高齢者住宅新聞に連載記事開始!『介護✕金融DX~介護革命のススメ~』第3回

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連載記事『介護×金融DX』第3回『介護DXに対する現場の役割』◆「介護DX」のゴール◆人が全てやることが介護現場?◆「介護DX」に際しての現場の役割

職員の負担軽減システム活用

 前回は「介護DX「デジタルトランスフォーメーション」」というやり方で目指すゴールと、『介護革命』の道筋についてでした。今回は、「介護DX」で現場の果たす役割についてです。

◆「介護DX」のゴール
 「介護DX」の最終ゴール=介護職員がかがやける介護現場を作り、そこで、“真の介護”を行える時間を最大化すること。その意味は、人でなければできないことを人が行い、システムや機械ができることをシステムに任せる現場作りです。
 介護現場の輝きは、高齢者の生きる力を高める仕事に関わる中で、周囲の「大変だけど素晴らしい仕事」と言う言葉を、額面通りに自分たちも受け止めることで生まれます。“真の介護”は、「介護DX」の過程ではっきり見えるであろう、介護事業における「救済のセーフティーネット」である「福祉」と「人の生きる希望」を提供する「介護」との新たな時間分配のバランスです。これは同時に介護のサービス品質の向上を生み、周囲の評価も高まり、安定して継続できる皆さんの職場づくりにつながるわけです。

◆人が全てやることが介護現場?
 「介護DX」のスタートは、現場職員が介護をする上で大切な「心」と「時間」の余裕を持てるように、システム活用で作業を削減すること。
 こんな話を聞いたことがあります。「職員が定期的に訪室し、その場で確認しなければ、本当の事はわからない」 「同時に複数のコールが鳴っても、大体の優先順位は判断できる」 「人の手でお世話するから、高齢者は満足する」「転んでからわかっても意味がない」。これらはすべての意味で本当ですか?センサーは24時間見守れますが、職員は数時間に1度しか巡回できません。今、高齢者が転んでいたり、呼吸が苦しいのに放置されているかもしれません。おむつ交換を恥ずかしいと感じる高齢者もいらっしゃいます。
 これまでは、人がやるしかなかったからそうしてきた業務がたくさんあり、そうでなければと思い込んでいることもあります。「介護DX」は、そういった今までの当たり前を忘れ、今の現場での当たり前を作る取り組みなのです。職員の心と体の負担をシステムで解消し、高齢者に“真の介護”を提供することに迷う事はありますか?

◆「介護DX」に際しての現場の役割
 現場の最大の役割=全員が自分たちの現場を自ら作る意思を持つこと。
 すべての作業や解除ができる万能システムはありません。人でなければできない作業、介助はたくさん残ります。何をやめ、何を充実することで“真の介護”を実現していくか、人の配置や動き方をどう変えるか、そのために必要なシステムとは何か。すべての基準を「現場業務削減」と言う指標により評価しましょう。現場職員の時間の余裕は高齢者の状態に応じた目配りの余裕、心づかいの余裕を生みます。残業が減りスキルアップの勉強時間も作れます。
 システムを難しく考えず、どう使うか、例えばスマホ使い始めた時を思い出しながら、みんなで最初の苦労を乗り越え、現場全体で大きなメリットを手に入れましょう。

 次回は、本部・本社が現場に対してできること、導入に関するお金の話について書きたいと思います。

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